フィルムカメラのフィルムには、サイズの違いによる35mm判、中判、シートといった分類と、モノクロフィルム、カラーネガフィルム、リバーサルフィルムの三種類があり、使用するカメラや撮影の目的によった選び方が必要です。
フィルムカメラのサイズの違いは、使用する機材に合わせた選び方をします。
問題となるのは、モノクロフィルムやカラーネガフィルム、リバーサルフィルムの選び方は、以外に迷うものです。
同じカラーネガフィルムでもさまざまな種類に分けられていて、どれを選べばよいかはっきりしないことも多いのです。
モノクロフィルムやリバーサルにおいても、同様なことがあります。
こういった場合には、フィルム感度を基準にした選び方をしてみます。
フィルム感度とは?
フィルムカメラの撮影において、モノクロフィルムかカラーフィルムの選択は、被写体や撮影の目的から、撮影者の嗜好でいずれかを選択します。
同系統のフィルムの中から、パッケージに必ず表示されているフィルム感度で、撮影に使用するものを選択します。
フィルム感度とは、フィルムが光に対する反応の度合いのことで、数値が大きいほど弱い光にも反応するフィルムであることを意味します。
つまり、光量の少ない暗い場所での撮影などでは、フィルム感度の数値の大きいものを選択すべきということになります。
フィルム感度は、ISO100が基準になり、これ以上の数値のISO400といったフィルムを高感度フィルムといいます。
さらに高い感度ISO1600やISO3200といったフィルムを、超感度フィルムといいます。
フィルム感度の数値と描写は?
フィルム感度の基準ともなるISO100というのは、晴天の順光での撮影条件下で、絞りF16に合わせシャッタースピードをフィルム感度の数値に最も近いものに合わせて撮影すれば、標準的な露出での撮影結果になることを示しています。
もちろん、たいていのカメラで1/100というシャッタースピードはないので、この時のシャッタースピードは、1/125秒ということになります。
このフィルム感度と露出の関係から、高感度フィルムを使えば、シャッタースピードを上げることが可能になり、被写界深度を深くすることで絞り値を上げるといった露出の選び方ができます。
フィルムの選び方の要素の一つとして、撮影条件の光の具合を考慮してフィルム感度から選択する方法があります。
フィルム感度の数値が高いほど、暗い場所での撮影に向いていることは、前述の通りです。
フィルム感度の違いによる描写の特徴として、感度が高くなるほど、画質が荒くなるといえます。
光量の不足する条件下での撮影に、高感度フィルムは向いていますが、画質が荒くなる欠点を認識した上での使用が必要です。
フィルムカメラのフィルムの選び方
フィルムカメラのフィルムの選び方は、まず、モノクロフィルム、カラーフィルム、またはリバーサルの選択をします。
商業的な撮影目的であれば、リバーサルということになり、一般的な撮影には、モノクロかカラーの選択になります。
そのいずれかのフィルムの中で、撮影状況を予測して、フィルム感度に注目した選び方をします。
画質のキメの良さを求めるのか、暗所での撮影を可能にすることを重視するのかといった判断材料の中から最適なフィルムを選びます。