フィルムカメラの現像でのリバーサルは、ネガカラーフィルムの処理の場合と多少違いがあります。
フィルムカメラのモノクロフィルムの場合は、現像液によってフィルム表面の臭化銀を還元する処理を施し、ネガの状態にします。
フィルムカメラのカラーフィルムの場合は、現像処理の最初から発色現像を施しますが、リバーサルの場合、モノクロの処理に似た処理を施した上で発色現像を施します。
リバーサルのフィルム自体の構造は、他のネガフィルムとほとんど同じものですが、現像に違いがあるといえます。
リバーサルのフィルムの構造や使用は?
リバーサルフィルムは、現像処理による反転現象により、ポジ画像を浮かび上がらせる構造を持った写真フィルムです。
リバーサルフィルムは、主に、スライドやポスター等の商業用印刷物に使用されることの多いフィルムです。
ネガフィルムでも、現像処理によってポジ画像とすることは可能ですが、この場合のフィルムは、リバーサルフィルムではありません。
リバーサルフィルムでは、撮影後の露光補正が限定的になるため、撮影時の適正露出が重要となる反面、鮮明さや色彩再現の良さや解像度の高さから、プロカメラマンの使用が多いといえます。
最近では、リバーサルの使用とコンピューターとの連繋をはかった使用もされています。
リバーサルフィルムの現像処理
フィルムの現像処理において、ネガカラーフィルムは、最初から発色現像を行いますが、リバーサルの場合はモノクロで行う反転現像という処理を含めた処理になります。
実際の現像処理は、コダック社のE-6現像が標準処理となり、フジクロームのCR-56現像もこれに準じた処理となります。
現像処理の第一段階として反転現像が行われ、フィルム表面の臭化銀を金属銀に還元させます。
この段階の処理は、モノクロフィルムの現像処理と類似したものです。
反転現像の第一現像において、現像がされなかった部分の処理液で感光した潜像に対する処理が発色現像となります。
これら反転現像の二段階の処理によって、潜像の金属銀を透明陽画のポジに変化させます。
フィルムカメラのリバーサルとネガフィルム
フィルムカメラでは、ネガフィルムが一般的に使用されていて、リバーサルはプロカメラマンや一部のアマチュアの使用が多いといえます。
リバーサルは、フィルム表面上の潜像をポジ化する現像処理を施します。
この現像処理の過程は、カラーフィルムのものと類似していますが、初期処理の段階にモノクロで行う反転現像が加わった処理となります。
現像処理のやり方で、フィルムをポジ化することは可能なので、ネガフィルムをポジフィルムとすることもできますが、この場合はリバーサルではありません。
リバーサルは、画質の解像度の高さなどから、ポスター等の商業用の印刷物やスライドプロジェクターで使用されます。